シェアする

セキュリティトークンの可能性とHowey Test(ハウェイテスト)

シェアする

今回は、最近ブロックチェーン・仮想通貨界隈で話題のセキュリティトークンについて、その定義やHowey Test(ハウェイテスト)と呼ばれる判断基準、将来の可能性を中心にまとめます。
以前の記事でもユーティリティトークンとの比較で紹介しましたが、なぜセキュリティトークンがこれほど注目されているのでしょうか。

(おさらい)セキュリティトークンとは

セキュリティトークンとは、証券としての性質を持ったトークンです。つまり、法定通貨や株、金などで価値を裏付けられていたり、その交換や投資が目的となったトークンのことを言います。

これに対し、あるサービスやシステムを使う目的で使われるトークンを指すのがユーティリティトークンでした。詳細は下記の記事も参照ください。

ユーティリティトークンvsセキュリティートークン
今回は仮想通貨の種類を表すワードである『ユーティリティトークン』と『セキュリティトークン』の特徴や違いについて紹介します。 アメリカのSEC(米国証券取引委員会)による仮想通貨規制の文脈で取り上げられたワードですが、一体どのような意味があるのでしょうか。

アメリカにおける仮想通貨規制の方向性 -イーサリアムは有価証券か-

昨今、日本や中国を尻目に急速に仮想通貨に関する法律・判例や関連する業態が整備されてきているのがアメリカです。そのアメリカでは昨今、仮想通貨の議論の際に「その仮想通貨はセキュリティトークンに該当するか」すなわち、有価証券性があるかについて盛んに議論が行われています。

なぜ有価証券性にフォーカスが当たるかと言うと、有価証券はSEC(証券取引委員会)の規制下に置かれることから、取扱や販売に規制がかかるとともに、そのプロセスもユーティリティトークンとは全く異なってくるためです。例えばある仮想通貨取引所がセキュリティトークンを販売するためには証券取引所としての登録が必要になります。またその販売についても、SECへの届け出やプロモーションにかかる規制等が発生します。

中でも議論が盛り上がったのが、2018年の夏にあった「イーサリアムは有価証券に該当するか」というものです。仮にイーサリアムが有価証券に該当するとなれば、その仕組、すなわちスマートコントラクトで動くようなDAppsの運用にも大きな影響が出てきます。

この点については2018年6月にSEC企業金融局のウィリアム・ヒンマン局長が「ビットコインとイーサリアムは有価証券とみなさない」と発言して話題になりました。いずれも非中央集権型の運営が徹底されているため、とのことです。

では、仮想通貨における有価証券性の判断の基準は非中央集権型かどうかだけなのでしょうか?

『有価証券』の4つの基準 -Howey Test(ハウェイテスト)-

仮想通貨の有価証券性を判定するための基準として最近注目されているのが『Howey Test(ハウェイテスト)』です。

Howey Testはもともと仮想通貨用語でも何でもなく、アメリカでの過去の判例を基にした有価証券性を判断するための基準を指します。判例ではある果樹園にかかるリースバック契約が投資契約に当たるかの判断基準として提示されていますが、後に広く有価証券性を判断する基準として、仮想通貨に限らず汎用されています。

アメリカ証券取引委員会対W. J. Howey社事件 - Wikipedia

具体的には、以下の観点から有価証券性を判断します。

発起人又は第三者の努力にのみ依拠した

その対象物、仮想通貨であれば仮想通貨のオーナーシップについての基準です。例えば、自分以外の誰かが運営していて、自分に一切運営等の決定権がない仮想通貨に投資するのであれば、この項目は該当する可能性が高くなります。

共同事業からの

1点目と似ていますが、仮想通貨に対する寄与度についての基準です。自分の働きに関係なく運営や配当が行われるような仮想通貨であれば、この項目は該当する可能性が高くなります。

収益を期待して行われる

収益性についての基準です。例えば保有しているだけで一定期間内に配当があるような仮想通貨の場合、この項目の該当可能性が高くなります。

金銭の投資

投資の対価についての基準です。例えばAirdropのように無償で手に入れられる場合はこの項目に直接該当する可能性は低くなりますが、取引所等を通じて有償で手に入れる場合には該当可能性が高くなります。

ここからは筆者の推論ですが、先に記載した「ビットコインやイーサリアムは証券ではない」という発言の根拠もHowey Testに求めることができそうです。つまり、非中央集権型での運営が行われているということは、上記のオーナーシップや寄与度に対しての裏返しになるためです。

規制強化で明るい未来?セキュリティトークンの活用が秘める可能性

アメリカでは上記のような枠組みが提唱されるとともに、例えばHowey Testを有価証券性の判断に用いたことを証明するようなICOも出てきているといいます。

日本ではどのようになっていくのでしょうか。現時点では金融庁は明確なコメントを出していませんが、(仮想通貨関係なく)他の金融関連の法規制の動向からして似たような規制の流れになるのではないか、と言われています。現行法制上はこの辺は明確ではないので、規制強化ととらえることもできます。一見難易度が上がるようにも思えますが、100%悪いことばかりとも言えません。具体的には規制強化や、それに続くセキュリティトークンの活用により、以下のようなメリットが出てくると考えられます。

詐欺や不明確なICO・プロジェクトの減少

現状は仮想通貨・ICOにつき、その情報開示や販売・広告手法等に特に制限がないことから、詐欺的手法でのICOによる被害が発生していました。規制が整備されることでこのような案件が減り、投資家が安心して投資→仮想通貨への資金流入が加速することが考えられます。

機関投資家の増加

一点目と重複しますが、現状の個人投資家中心の仮想通貨マーケットが大きく変化する可能性があります。規制や法制度が整備されることで機関投資家が投資しやすくなることから、例えばファンドから大きなお金が流れてきて市場が活性化する、等が考えられます。

ボラティリティと実用難易度の低下

投資家の層が厚くなると、中長期投資といった動きも増え、仮想通貨の値動き自体が安定化することが想定されます。ビットコインはボラティリティが激しすぎて実用に向かない、という声もありましたが、安定化により決済などでの利用が加速するかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?
セキュリティトークンやその規制の動向は、ブロックチェーン・仮想通貨事業者としても投資家としても押さえておくべきトピックと言えそうです。

シェアする

フォローする

投げ銭

記事をいいねと思ったら投げ銭をお願いします