今回は2017年10月16日に実施されたイーサリアムのハードフォーク『ビザンチウム』について、内容や影響を解説します。
イーサリアムのアップデートについて
まず大前提として、イーサリアムでは予め機能アップデートが4段階に分けて計画されています。具体的には以下のとおりです。
1.フロンティア
2.ホームステッド
3.メトロポリス
4.セレニティ
このうちの『3.メトロポリス』に更に2つの段階が含まれています。
3-1.ビザンチウム
3-2.コンスタンティノープル
つまりメトロポリスの最初のアップデートに当たるのがビザンチウムです。ちなみにコンスタンティノープルは2018年に実施される予定です。
ビザンチウムの主なアップデート内容
アップデート自体は全部で9個あるようですが、主なものを取り上げます。
匿名性の強化
匿名性が特徴であるジーキャッシュで使われているzk-SNARK(zero-knowledge Succinct Non-interactive ARgument of Knowledge)というツールが導入されました。これにより、取引の匿名性が向上します。
マイニング報酬の減額
マイニング報酬が5ETHから3ETHに減りました。
そもそも、イーサリアムには後々のアップデートに応じ、マイニングの難易度を不可能なレベルに引き上げる仕組みが導入されている(ディフィカルティボム)のですが、これのスタートが遅れることとなりました。とはいえそのままだとイーサリアム自体の発行量が増えすぎてしまうため、これを防ぐべくマイニング報酬が引き下げられました。
ビザンチウムの影響
今のところは特に上がっていません。当日に取引所で一部の扱いが停止したくらいです。
まとめ
ビットコインのSegwit2xと異なり、このハードフォークでは特にコインの分裂等もなく、ただ利便性が向上した、という非常にポジティブなものだったといえます。
イーサリアムを使ったアプリケーションも続々と増えてきているようですが、更に利便性が向上することでより身近なところでの実用例が増えていくことに期待したいところです。