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2019年ブロックチェーン・仮想通貨の3大トレンド予測

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今回は前回に引き続き、2019年に注目すべきブロックチェーン・仮想通貨周りのトレンド・テーマを3つ特集します。通貨としての動向から技術的な動向まで様々流れていますが、コイナーとして注目するのは・・・

前提:短期的な数十%の値動きに踊らされるのは損

前回の記事でも触れましたが、この1年でビットコインの価格は実に1/3未満に下落しました。

決済やICO・STOの動向は・・2018年ブロックチェーン・仮想通貨トレンド予測の答え合わせ
早いもので2018年も大晦日!ということで、今回は2018年のブロックチェーン・仮想通貨のトレンド予想の答え合わせをしたいと思います...

では、ビットコイン価格の下落はブロックチェーンの退化を意味するでしょうか?答えはNoだと考えます。

以下の記事にある通り、価格ではないビジネススケールやコミュニティ、実利用例等様々な指標において、ブロックチェーンやビットコインのスケールは拡大していることがわかります。

Bitcoin By the Numbers: 2018 Recap - Jameson Lopp - Medium
I’ve always been fascinated with the raw numbers relating to the operational status and growth of Bitcoin, especially as we ride the…

そういう意味では、短期的な通貨の値動きに一喜一憂すること、およびブロックチェーンの可能性を否定するのは性急すぎる判断です。

なので以下のトレンド予測は、『引き続きブロックチェーンの未来は明るい』という大前提の下書きます。

2019年のブロックチェーン・仮想通貨トレンド1:ブロックチェーン×ゲーム

今のところ、実生活に根ざしたブロックチェーンの利活用が最も進んでいて、かつ2019年に大きく拡大すると思われるのがブロックチェーンのゲーム領域です。

以下はDappRadarという、世界のDappsの状況を追いかけたサイトの最新のランキングですが、DAU(1日あたりのユーザー数)上位10アプリのうち8つがゲーム・ギャンブル系!!

Ranked list of ethereum dapps | DappRadar
Browse through a list of ethereum dapps, ranked by specific metrics like daily users, daily volume and more

ちなみに、2位につけているMyCryptoHeroesは日本発のゲームであり、年末年始にはテレビCMも放映するほどの勢いです。

ゲームでの利活用が進むことで、ブロックチェーン界隈全体にとっても以下のようなメリットがあると考えられます。

ブロックチェーンゲーム拡大のメリット1:エコシステムの素早い構築

他業種と比べてゲームビジネスは収益性が高く、ヒットするタイトルさえ出てしまえば容易に収益化が可能です。日本の上場企業でもDeNAやGREE、コロプラのように、ゲームが牽引して5年とかからずに上場企業になり、時価総額1,000億円を叩き出すような事例があります。

収益性の高さにより人材や技術、新しい試みへの再投資が行われやすくなり、業界全体としてエコシステムの構築が加速すると考えられます。要はご飯を食べられる業界になるという話です。

ブロックチェーンのゲーム拡大のメリット2:技術的な進化の加速

メリット1と若干重複しますが、特に技術に対する投資(時間・金銭・人的等すべて)が大きくなるのもゲーム業界特有です。

ユーザーが目の前ですぐ反応するというのは、特にパフォーマンスやUX(ユーザー体験)を前提においた実装方式の進化に役立ちます。現状ブロックチェーン界隈ではスケーラビリティやUXの拙さについての課題感が特に強く言及されていますが、このような課題が技術の向上により早期に解決するかもしれません。

また、そのような技術の向上はゲームにとどまらず横展開され、結果としてDApps自体の守備範囲の拡大にも繋がります。

ブロックチェーンのゲーム拡大のメリット3:一般的な認知向上

アプリがそうであったように、ゲームという誰でも楽しめる手段を通じて一般的なブロックチェーンの認知や理解が加速すると考えられます。認知・理解の向上は業界自体の地位向上(より多くの人がブロックチェーンを志すようになる、投資が集まる等)につながります。

つまり、ブロックチェーンゲームが世の中に浸透することでブロックチェーン業界やブロックチェーン技術の進化が加速する、2019年はそういう年になるだろうと考えています。

2019年のブロックチェーン・仮想通貨トレンド2:プライベートチェーンやコンソーシアムチェーンの取扱拡大

2019年は特に大企業を中心にプライベートチェーンやコンソーシアムチェーンを使ったサービスや実証実験が拡大していくと予想しています。

筆者は企業内でのブロックチェーン検討にも関わっていますが、イーサリアムやEOSのようなパブリックなブロックチェーンを企業が使う場合、以下のようなハードルがあります。

パブリックチェーンのデメリット1:各プロトコルの特性に仕様が引っ張られること

当然といえば当然ですが、イーサリアムならイーサリアム、EOSならEOSのプロトコルや特性に合わせてサービス開発をする必要があります。現状では各プロトコルの仕様は日々進化している、別の言い方をすると不安定なので、思うように開発を進めづらくなるリスクがあります。

パブリックチェーンのデメリット2:参加者を制御できないこと

パブリックである以上、プロダクトは不特定多数が参加するネットワーク上で稼働するものになります。セキュリティ面や参加者のKYCの担保等のハードルが高くなります。

パブリックチェーンのデメリット3:システムベンダーが対応しきれていないこと

特に日本企業の場合は、(ブロックチェーン関係なく)基本的には自社でエンジニアをすべて抱えることなく、システムベンダーとの協働で開発を進めるのが一般的です。他方、パブリックチェーンの開発者をそういったベンダーが抱えるケースもまだ少ないのが現状です。

プライベートチェーン(一企業や団体の中でのみ使われるブロックチェーン)やコンソーシアムチェーン(特定の企業・団体の中でのみ使われるブロックチェーン)であれば上記のような課題をクリアした上で、サービス提供や実証実験に集中することができます。特にコンソーシアムチェーンはIBMのHyperLedgerのように、シェアを伸ばしているものが出てきています。

https://www.hyperledger.org/

2019年のブロックチェーン・仮想通貨トレンド3:ICOの進化

2019年は尚ICOが進化して、新しい形での取扱を伸ばしていくのでは、と考えます。具体的には以下の観点に基づきます。

ICOの進化の根拠1:法規制の整備

ICOはその手軽さゆえに詐欺やマネーロンダリングの危険性をさんざ指摘されてきましたが、ここに来て法規制の方向性・枠組みが各国で整備されつつあります。日本でも、『投資型ICO→金融商品取引法、決済型ICO→資金決済法で規制』という方針が出てきています。

ICOなどの仮想通貨規制に対し、「金商法」ベースに検討|金融庁 第10回 仮想通貨研究会
仮想通貨規制に関する第10回討議では、配当を出すICOなどに関して金融商品として扱い、有価証券同様「金融商品取引法」に基づく登録制の導入や、プロの適格投資家に対象を限定する案を検討した。

法規制が行われると自由度が下がるのでは・・・という懸念が出てきますが、個人的にはむしろプラスに転じると考えます。

ICOを行う側のメリット

・基準が明確になること
・案件実施にあたってのコストや期待値が見積もりやすくなること
・上記により、実例を切り開きやすくなること

ICOに参加する側のメリット

・投資判断の基準が明確になること
・怪しい案件を見分けやすくなること
・上記により、より安心してICOに参加できる環境が整備されること

要は双方にとって安心してICOを実施/に参加しやすくなる環境が整備されるということです。

ICOの進化の根拠2:プラットフォームとしての取引所の存在

とはいえ、資金決済法の観点でも仮想通貨交換業者でないとICOの取扱にはハードルが高いことも事実です。この点は取引所側からの仕組みの整備が進むのでは、と考えます。

取引所ビジネスを考えたときに2018年と2019年で大きく違うのは、「C向けビジネスの伸びしろ」です。去年の今頃は各社がこぞってCMを打っていたように、仮想通貨取引自体のポテンシャルが大きかったのですが昨今ではイメージの問題もあり下火になっています。

そのような状況では、各取引所B向けのビジネスを伸ばす方向にシフトしていくのではと思います。例えばビットフライヤーでは『Miyabi』というオリジナルのブロックチェーンをビジネスとして手がけています。

「miyabi」次世代のブロックチェーン型データベース - ブロックチェーンはビットフライヤー【bitFlyer(ビットフライヤー)】
世界最速・秒間 2,000 件のトランザクションを実現、独自のコンセンサスアルゴリズム、堅牢かつ高速なスマートコントラクト実行エンジンにより究極の性能を備えた bitFlyer のオリジナル・ブロックチェーン「miyabi」が歴史の新たな一歩を踏出しました。

このようなB向けのソリューションの1つとして、ICOに関連した仕組み、具体的にはセキュリティの担保や金融庁対応等を代行するようなものが出てくると予想します。

ICOの進化の根拠3:STOのハードルの高さ

昨今話題のSTOですが、2019年という点ではさほど広まらないのでは、と想定します。
すでにシンガポールやアメリカでは整備が進んでいると言われていますが、整備が進んだところで事業者側に求められるハードルが高く、またそもそもマーケットが小さく調達のスケールが思ったほど大きくならないという印象です。

※中長期的な有望さについては以前記事で書いたとおりです。

STO(セキュリティトークンオファリング)の概要、特徴や事例について
今回は前回に続き、セキュリティトークンを用いた資金調達であるSTO(セキュリティトークンオファリング)について紹介します。 世界でICOが下火になる中、複数のプロジェクトがSTOによる資金調達を目指しているとも言われています。一体どのような手法なのでしょうか。

まとめ

2019年は総じて、ブロックチェーン技術や実利用自体が進化する1年になると思われます。通貨としての側面は短期的には不安定かもしれませんが、冒頭の通り『引き続きブロックチェーンの未来は明るい』ということで、コイナーとしてもやっていきたいと思います。

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